風が心地よく吹き抜けて行く自然の中で、ゆさゆさと風を切りながら優雅な姿勢で宙に浮いているタープを見上げながら、タープと空のコントラストをぼんやりと見つめる。
不意に風が強まりポールのしなる音とロープの軋む音が鳴りバサバサと音を立てながらタープが揺れ、また元の張りを取り戻す。自然の猛威をすり抜けながらモチベーションを保ち、また姿勢をとり直し優雅に空を飛ぶ鳥の様なそんな美しさがタープにはあると私は思う。

雨が降ろうが雪が降ろうが、肌に突き刺さる様な日差しが降り注ごうが身を守ってくれるタープは自然相手の遊びには欠かせない最高の道具である。

そして機能性と美しさを兼ね備えたタープがテンマクデザインのムササビウイング13ft.TC 焚き火バージョンである。

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宙を舞う様な美しいフォルム

先ず目を見張るのはその名の通り木に飛び移るムササビの様な斬新なフォルムである。
アールのかかった五角形でとても綺麗な張り姿が特徴的なソロタープなのだ。

私はどんなに機能美な道具であっても見た目があんまりな物はやがて使わなくなってしまう事が多いのだが、このムササビウイングは持っているタープの中でも群を抜いて美しいフォルムでとても大好きなタープである。

ポール1本とペグ6本で気軽に設営出来る

このムササビウイングにはロープを通す穴が6か所しか無いのもこのタープの特徴である。
通常のタープであればポールを抑えるロープは1か所から2本のロープを張るのが一般的なのだが、このムササビウイングはポールを抑えるロープも1本だけなのだ。

やはりロープの本数が少なければ安定性に少し不安を感じる所だが、両脇の2本のロープを張るとかなりの安定感を得られるので実質は3点で1本のポールを固定している様な安定した張り感になる。
なので少しの時間で簡単に設営する事が出来るので私はよく家の庭で昼寝やコーヒーを楽しむ時にムササビウイングを張る事がある。

狭いようで大きな日陰

このムササビウイングはそもそもソロからデュオ向けのサイズ感なので見た目には狭そうに感じる方も多いと思うのだが、実は広々とした居住空間を得ることが出来るのだ。

先ず狭そうで使い勝手が悪そうに見えてしまうのは先端のポール側が細長く伸びている見た目にあるかと思う。
確かにはたから見れば中まで雨が入ってきてしまう様な見た目なのであまり広そうには見えないのだが、居住空間を広く確保しているポイントはポールの長さにある。

メーカーの推奨しているポールの長さは240cmだったかと思う。
実際に私も使っているポールは240cmなのだが、ソロ用のタープで240cmは少し長く感じるかと思うのだがこの長さのおかげでかなり大きめの日陰を作る事が出来るのである。

その他にもこの高さのおかげでタープの下で焚き火をしていても燃え移る心配が殆ど無いので、TC生地とポールの高さで安心して焚き火やガスストーブなどの火器類を使う事が出来る所も気に入っている。

そして風が強い時や強い雨の日はポールを180cmで使う事がある。
こうする事で姿勢が低くなり雨の侵入は勿論の事、強風が吹いていても大概は耐えしのぐ事が出来る。一度だけ山からの吹きおろしの強風でポールが折れてしまった事があるのだがムササビウイング自体が破れたりする事は無かった。

パンダTCとの連結にマッチする

Shot with FIMO X-Red 50.

現在ではパンダTC専用のパンダタープTCと云うタープが売られているのだが、私はパンダタープTCが発売される前からパンダTCを使っていたのでそもそも選択肢に入ってはいなかったのだが、開放的な張り姿が好きでムササビウイングをいつも連結して使っている。

先ず五角形の形が連結するのにとても使いやすい。
通常のタープであれば両サイドが対象の形をしているので、小川張りなどをしてテントとタープの場所をロープで調整しなくてはならないのだ。なので連結と云うよりもテントを覆う形になるのだ。

対してムササビウイングの場合は勿論、小川張りで覆う事も出来るのだが写真の様に後方の真ん中をテントの頂点に乗せて両脇のロープで位置を決めたら、先端のポールを立てるだけで綺麗な位置で連結する事が出来るのだ。

ポールを追加して張り方をアレンジ

先ほどの写真の中でもやっているのだが左手側に180mmのポールを追加で立てているのだ。
この時は右側に先行者が居たのでお互いにプライバシーを尊重して、右側は低く通常通りに張り左側に空間を作る為にポールを立てている。
ほんの少しの事なのだがこれだけで居住空間も広くなり見える景色も広くなるので、周りに人が居ない時でも景色の良い方にポールを立てて使っている。
また余計にポールを持っていれば、太陽の傾きの変化に合わせてポールを追加して日陰を作る事が出来るのだ。

ポリコットンの性質上どうしてもポリエステルなどの素材と比べれば多少の重さは生じてしまうのだが、とても心地の良い質感でより自然となじむこのムササビウイングを持って自然と遊べばいつもよりほんの少し自然に近寄る事が出来るのではないだろうか。

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