なかなか外出する時間が確保できない時に私はよく、家の庭に出てコーヒーや食事を楽しむ事がある。

本来であればハイキングや森の散策に出かけてゆったりとした時間を過ごしたい所なのだが、何かと予定が入ってしまうと中途半端な時間で帰宅せざるを得ないのでそんな日は庭に出てほんの少しの時間ではあるがお気に入りの道具を使ってゆっくりコーヒーでも淹れて暫しのリラックスタイムを味わうのだ。

逆に言えば普段のハイクではあまり使わない道具でも気兼ねなく庭に持ち出して使うことが出来るためメンテナンスも兼ねながら道具の良し悪しも再確認することが出来るのだ。

そして庭でよく使うお気に入りのストーブがオプティマス社の8Rと云う古いガソリンストーブである。

最近のストーブはコッフェルの中に収納する事が出来たりコンパクトに収納する事が出来るためハイキングなどでは小型のガスストーブに軍配が上がるのだが、庭や車で行くデイキャンプなどでは敢えて雰囲気重視のヴィンテージストーブを選ぶ事がある。

味のある水色のレトロなフォルム

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先ずはその見た目なのだが水色がとても印象的である。
古いストーブなので年代などで多少のデザインの違いなどもあるのだが、私の持っている8Rは恐らく1960年代の個体でoptimusのロゴが筆記体で書かれている。
そして私の個人的な好みなのだがMADE IN SWEDENと書いてあるだけで心を奪われてしまうのだ。

箱型の五徳を兼ねたストーブなので少々場所を取るのだがデイキャンプなどにはとても相性の良いストーブなのだ。

ポンピングをしない独特の点火方法

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次に肝心な点火の仕方なのだがこの点火方法にも一癖あり、慣れてしまえば何という事も無いのだが慣れないうちは少し戸惑ってしまうと思う。
先ずは真鍮製のタンク部分をスライドさせるとタンクが箱から少しはみ出してバーナー部分が五徳の丁度真ん中に来る。
後はバーナーの下にあるプレヒートをする為の皿状の所にアルコールやガソリンを垂らしバーナーをプレヒートさせるのだ。

よくあるガソリンストーブであればタンクにポンピングをして空気で圧をかけてガソリンを噴射させるのだが、この8Rの場合はポンピングすることが出来ないのでバーナー部分をプレヒートさせその熱でタンクに圧をかける構造になっている。
この構造はオプティマス製のストーブではよく使われている構造で、有名なスベア123Rもこの構造を採用しており100年近く同じ構造で作られている。

プレヒートで十分に圧がかかったら右脇に差すレバーを捻るとバーナーからガソリンが噴出してくるので火を点ければ点火完了である。

寒さに強い頼れるガソリンストーブ

ガソリンストーブ全般に言える事だがガスやアルコールに比べガソリンは気温が低い環境や雪の上でも安定した火力で使う事が出来る。

冬のハイクでアルコールストーブで湯沸かしを試みたが沸騰させることが出来なかった経験があり、それからは真冬のハイクやキャンプではガソリンストーブを多用するようになった。
冬のキャンプであれば焚き火で料理を作ってしまえば良いのだが、焚き火で使った後のコッフェルの煤を落とすのが少し面倒なのでガソリンストーブを一つ持って行くととても重宝する事がよくあるのだ。

パッキングを気にせずお気に入りの道具を庭に持ち出そう

ここまで紹介したオプティマス製8Rだが物の大きさで言えばそこまで大きな物ではなくザックの中に入れても全然苦にならない程度の大きさである、サイズ的には形は多少違えどラージメスティンを予備のコッフェルとして持って行く程度の大きさだ。
しかし出来るだけコンパクトで軽量なパッキングをするためにハイキングには持って行かない事が多いのだ。

しかし庭で使うには雰囲気も良く点火方法も一癖ある少し手間のかかるこのストーブはとても楽しく満足させてくれるのだ。

庭で遊ぶのであればパッキングを考えなくても良いので例えば、普段は縦型のコッフェルにスタッキングしているストーブと横広のコッフェルを組み合わせて使ってみたり山ではあまり現実的ではない組み合わせも色々と試す事が出来るので新しい発見があったりと新鮮な使用感も楽しめるのだ。

なので私の場合は8Rを使う時は雰囲気重視でトランギアケトルを良く使う。
これは私の考えだがハイキングにケトルを持って行くのは少し贅沢な事なのだ、湯沸かしやコーヒーを淹れる程度の事であればどんなコッフェルでも事足りてしまうのであえてケトルを持って行く必要が無いと考えている。

しかし個人的にトランギアケトルはとても好きな道具でスタッキングを考える時や新しいコッフェルの購入を検討する時にはトランギアケトルをスタッキング出来るかは常に考えるのだがサイズが大きくなってしまったり、ケトルの役割を兼ねているコンパクトなコッフェルがすでにあるので料理を作る時などは持って行かない事が良くあるのだ。

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本来なら時間が許す限り山の中で遊び煮炊きを楽しみ満足して帰宅出来れば良いのだが、毎週遊びに行けるわけもなく試したい事も出来ない事が多々ある。
そんな時に気兼ねなく道具を試しながら楽しめる庭遊びがなんとも贅沢な時間を彩ってくれているように思う。

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