ハイキングやキャンプをしているとウッドストーブやアルコールストーブは必需品であり、手を変え品を変え色んなメーカーから多彩なアイディアの詰まった商品が売られていて目移りするように購買意欲を搔き立てられる。
私自身も今まで色々な商品を試して来たのだがコッフェルや使うシーンに合わせてストーブを選択するためこれ一つで全てを賄えると云ったようなものは無く未だに良さそうな物を見つけては買い漁っているのだ。
しかし幾つか似た様なものを使っていると大まかな仕組みや原理が分かってくるので、そうなれば持っている物を少し改良したりパーツを作り替えたりとオリジナルな仕様に変わって行き果てにはそのものを自作出来るようになっている。
特にガス器具などとは違いウッドストーブやアルコールストーブは昔ながらのアナログな作りである事からも自作にとても向いているのだ。
今では色々なメディアで作り方などをすぐ調べる事が出来るので今回は私が自作して今も愛用している3つのストーブの紹介と使い勝手をレビューしていこうと思う。
ニベア缶で作る蓋つきアルコールストーブ
先ず始めに写真左上のニベアクリームの空き缶で作ったアルコールストーブだが、このストーブは底にスチールウールが敷いてありその上にアルミ缶を丸くカットしたものにナップサックなどで使う紐を固定して上から被せている。
このストーブの使い方だがアルコールを上から染み込ませてスチールウールにアルコールを吸わせると上の紐が燃えてオイルライターやアルコールランプの様な原理で燃える仕組みである。
このストーブの利点は燃える箇所が出ている紐の部分だけなので通常のアルコールストーブよりも燃費が良く、尚且つアルコールを染み込ませたまま蓋をして持ち歩くことが出来るのがとても使いやすい。
五徳はステンレスのワイヤーを波状に曲げたものをハメて使っている。
五徳無しでそのまま使えるアルコールストーブ
次に写真左下にあるビールの空き缶で作ったアルコールストーブだが、良くある自作のアルコールストーブは空き缶の底の部分を2つ使って作るものが多いのだがこのアルコールストーブは空き缶1つで作る事が出来る。
そして何よりも五徳を作らなくてもこのまま使う事が出来るのでとても重宝している。
作り方はとても簡単で缶の底の部分を適当な高さで切り、缶の飲み口側の上部を缶切りで開けて好きな高さに切ったら周りに等間隔に切れ込みを入れて完成である。
このアルコールストーブは五徳は必要ないものの火力が強く火力調節が出来ない為、用途としては湯沸かし程度になるのだがどんなに小さなコッフェルでも入れて持ち歩けるのでかなりの頻度で使っている。
コッフェルの中にそのまま納まる二次燃焼ウッドストーブ
最後は写真右側のウッドストーブの紹介になる。
このストーブは小枝や小さな薪で火おこし出来るウッドストーブなのだが、マトリョーシカの様に大小のアルミ缶を重ねて空気穴を作る事で二次燃焼することが出来るのが特徴である。
五徳は最初に紹介したニベア缶のアルコールストーブで使っているものを併用している。
この手の二次燃焼ウッドストーブはよく組み立て式の商品が売っているので、それをヒントに自作してみたのだがサイズが小さい事と空気穴が多かったのか燃費はあまり良くないので煮炊きに使うには少し忙しくなってしまう。
恐らく吊り下げ式のコッフェルを用いれば炎を大きくしてトライポットの様に使えて薪の投入はかなり楽になるのだろう。
ここまで3つの自作ストーブを紹介させて頂いたのだが、このほかにも沢山似た様なものを作ってはトライ&エラーを繰り返してきた。
作りは良いがすぐにガタが来てしまうものや、うまく空気を取り込めずに鍋を乗せると炎が消えてしまうものなど失敗作も沢山作ってきたのだ。
売っている物を買ってしまえば当然長く使う事も出来、当然それなりに愛着も沸くものかと思う。
しかし自作で作るものにも売られている製品よりも優れている所が当然あるのだ。
自作ストーブの利点
自作ストーブの利点だが当然ながら製品になっている物は真鍮製やステンレス製など壊れにくく強靭なものが多く自重が重くなってしまうのだが、自作のアルコールストーブなどはアルミ缶が原材料な為数グラム程度の重さなので持っている感覚さえないほどの軽さなのである。
その他にも、製品に比べて自作のアルコールストーブはプレヒートがとても速くガスストーブ並みに素早く調理を開始出来る。
恐らくアルミの熱伝導率の良さがそうさせていると思うのだが嬉しい副産物である。
自分で材料を探してそれなりのものを作るDIYで制作したものは見た目や作りは売り物と比べるととてもチープなものなのだが、今にも壊れそうなチープな物の中に自分だけの考えやアイディアを詰め込んだ自作のアイテムはとても愛らしく飽きる事のない最高の道具だと思う。